Canon EOS Kiss X5+Tamron SP AF90
- ストロボ:絞り優先モードF11〜F13、露光1/200固定、ストロボ+2、ケンコー影とり、ISO-AUTO
- 自然光:マニュアルモードでF8〜F16、露光1/125〜1/1000、ISO-AUTO
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本日の目標はリラちゃん、Pidonia lyra。「琴座」を学名にもち、和名もコトヒメハナカミキリ。
セスジヒメハナに似ているため混同されてきましたが、斑紋、裏側の色、交接器の形などの明確な違いから1978年に独立種として記載されました。分布の本丸は伊豆半島で、その周辺の神奈川、東京、山梨でも記録されています。伊豆のファウナが隔絶されていた時に分化し、隔絶が終わって徐々に周辺に拡散しているのでしょうか?(伊豆にセスジがいないようなんで、ほぼそれで間違いないな
coleoptera.sakura.ne.jp/ColeoNews/ColeoNews094.pdf)
ところで、なんで「琴」なんでしょうね。原記載論文は以下ですが、由来については何も書いてありません。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003377327/
ちなみに日本人により記載されたカミキリの学名は地名や人名が多いですが、ピドニアをたくさん記載されている窪木さんはその半分くらいがラテン語の形容詞のようです。なんかかっこいい。
記録のない青梅あたりで狙おうかとも思いましたが、記録を見ると時期的に標高を上げないと厳しそうだったので、記録のある、標高1500mの三頭山、都民の森に妻とハイキングがてら出かけました。
ここで問題がひとつ。都民の森は特別保護地区なので昆虫などの捕獲ができません(罰金50万円)。網を一切使わず、ルッキングのみで探さねばなりません。まあソリダの季節には沢沿いに確か低い花がたくさんあったから、この時期は初めてだけどなんとかなるでしょう。
花
しかし、沢沿いに全く花がない!うーん。とりあえず登って行くと、8号目あたりからコゴメウツギがずっと満開に。最高のコンディションです。ただ、掬えば一株30秒で終わるところ、じっくり探して10分ほどかかってしまいます。
コトヒメハナカミキリ★
撮影時はLm紋がイメージより丸くてヨコモン系かと思ってましたが、こんなにS紋が太いのはいない。
Lm紋が楕円または長楕円のもので可能性として残るのはメスでセスジ、コト、トサ。
腹が黄色いのでセスジは除外。Lp紋がS紋方向に伸びないのでトサは除外。
Lp紋がLm紋と同じ位長い、Lb紋は小さいなどの特徴からコトヒメハナと同定。
とりあえずやったー!しかし写真的にはリベンジ必至。来週は奄美に行くし、再来週はもう遅いので来シーズンだな。天城あたりで6月に何か狙って、その折に撮影しよう。
トガリバホソコバネカミキリ
ではありませんでした。いぇーい。木屑がついていて羽脱直後のようです。しかし最近は毎年どこかの山で遭遇してるのに、相変わらず騙されます。
フセツが片方ないです。アリに食われたのかなぁ。妻には「運がよければハチみたいなカミキリ見られるかも」と言ってたので、よかったです。因みにいつもソリダがいる木にはまだいませんでした。
因みに家人の反応は「ふ〜ん」てなもんで、どうもカミキリ自体より、それを見つけてアホみたいに喜んでる奴を観察するのが面白いようです。
下山
いつもは最終バスぎりぎりに走って間に合うんだけど、今回はちょっと別の狙いもあったので早めに下山。
公園外の道沿いでいい感じのミズキ枯れ枝を見つけていたんで、まずはルッキング。しかし見つからず。
次に念のため持ってきた3m竿で上を掬います。このとき先日遠征にご一緒したAさんのアドバイスを思い出し、ちょっと目先を変えて掬ってみました。
クモノスモンサビカミキリ★
キター!ネットの外側についていた。あぶねぇ!
保護区外なんで持ち帰って撮影。背中のトゲは毛の束なんですね。
しきりに歩き回りますが、下に敷いたキッチンペーパーの皺に入ったら大人しくなりました。なるほどね。これがヒント。