献本御礼。以前単行本で出たのの文庫化。
- 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/06/07
- メディア: 文庫
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ただし件名を偽って実は「机の角に足の小指を強打した」体験を送付することもできてしまう。それを再生してしまったら滅茶苦茶痛い。文字どおり痛い。
それを防ぐためにTAPでは客観再生モードで内容を確認し、痛みを感じずに「これは痛いという信号だ」と判断することもできる。しかしそのモードでステーキを味わったら、「これは適度な塩分により人類が海の遠くに住んでいて塩が貴重だった頃に身についた塩に対する嗜好を喚起し、蛋白質を摂取するために身についたアミノ酸の味に対する嗜好、エネルギーを得るための油脂の匂いに対する嗜好も適度に喚起され扁桃体が反応する感覚だ」となって、味気ないものになります。
もし、本物のステーキを食べている時にそのような客観モードを思い出してしまったら?
まあ味覚というのは多分に後天的で文化・コンテキスト*1依存な部分も多く、どういうステーキがうまいのか、というのも食文化によってかなり違うわけですが http://steakrevolution.jp それでも一部は脳にハードコーディングされているわけで。そこが「クオリア」とか呼ばれている、五感を五感たらしめ、もっといえば人間を人間たらしめている部分なわけで。
もし2chにTAPスレがあったら: http://d.hatena.ne.jp/ita/20081201/p1
関係ないですけど去年の秋にボストンのDurgin Parkの32oz ステーキを完食しました。昼を抜いた上での挑戦でした。うまかった。量より質ということだとパサデナのArroyo Chop House。
*1:山の上で食うオニギリ