水雷戦

Neptune's Inferno: The U.S. Navy at Guadalcanal

Neptune's Inferno: The U.S. Navy at Guadalcanal

真珠湾とミッドウェイで、空母&飛行機の時代が到来した訳ですが、その後のソロモンは駆逐艦巡洋艦が主役の水雷戦でした。
そのどちらも、理由は魚雷の強さと言えるでしょう。真珠湾などで戦艦を沈めたのは飛行機から投下された魚雷。また駆逐艦や潜水艦から発射した魚雷が1発当たれば巡洋艦でも大破は免れない。
ただし、魚雷を抱えた飛行機はすごく遅い。戦闘機がいれば確実に落とされます。また駆逐艦が敵に魚雷の射程距離まで接近するのは昼は不可能。砲撃でやられてしまいます。

日本がなんとなくで作ったガダルカナルの飛行場、これを米軍が奪い、戦闘機と雷撃機を配備し、海兵隊で守りを固めました。さてこれを奪還するにはどうするか。

  • 戦艦、巡洋艦で攻める:これは制空権がなければ敵の航空魚雷でやられてしまいます(ただし夜間なら別)。また、陸上の相手を船で攻撃するのは下策であるという東郷平八郎の教えが江田島卒業生の頭には叩き込まれていました。
  • 大量の陸軍兵士を上陸させ飛行場を奪う:輸送船は遅いので空母で護衛する必要がある。しかし大事な空母を出すと相手の空母に沈められるリスクがある。珊瑚海海戦がこれだった。
  • ラバウルから飛行機で飛行場を攻撃する:攻撃しても攻撃しても、どんどん修復して増援が来てしまう。
  • 空母の攻撃機で飛行場を攻撃:RJが実行しました。たいしたダメージを与えられず、逆に敵の空母の攻撃で轟沈

そこで日本がとった作戦は、朝一でラバウル駆逐艦で出発し、陸軍の兵隊を乗せて夜間に飛行場手前に上陸させるというもの。現地では夜になっているので制空権の心配はなし。時間がギリギリなんでいつも同じ時間に来ることになります。これが米軍から「東京エクスプレス」と呼ばれた理由。動きを読まれても、日本は夜戦に絶対的な自信を持っていたので、来るなら来いやー!というノリでした。ちなみに駆逐艦の艦長らは「鼠輸送」と呼んでました。コソコソと夜に行動するため。花の水雷戦に備え月月火水木金金と猛訓練してきたのに、人足をやらされる艦長達は憤懣やるかたなしでした。
実際、飛行場を米軍が奪った直後には三川艦隊が夜戦を挑み、経験不足だった米軍巡洋艦はボコボコにやられました。
しかしレーダーが次第に実用に使えるようになってきた米軍は東京エクスプレスを迎え撃ちます。こうして何度かの夜戦がソロモンで生起したのでした。
駆逐艦は輸送量が少ないので兵員は五月雨式の上陸、また食料、弾薬の補給もままならず、兵員は飢えに苦しみます。陸軍としてはメンツもあり、少数精鋭で奪還して見せるという意気込みだったでしょうが、実際は立つことさえできない兵隊も多くいたとか。
アメリカはアメリカで、ドイツも相手にしなくてはいけない。大統領の方針としてはドイツを先に倒して、それから日本という鉄則があったので、太平洋に増援をそれほど送れない。
どちらも苦しい戦いだったけど、それで神経をやられた米海軍の南太平洋司令官が更迭され、代わって猛将ハルゼーが指揮を取ります。そのあたりから米軍の巻き返しが始まり、駆逐艦と航空機を消耗した日本はついにガ島からの撤退を決意。

その後に米軍はラバウルまで奪還するため猛反撃をしますが、その時にラバウル零戦に乗っていたのが岩本徹三。毎日のように飛来する敵機を毎日のように落としていたのでした。一方でベテラン艦載機パイロットが消耗戦に投入され磨り潰され、航空戦力は再起不能に。

その後は米のエセックス級空母が続々と実戦配備され、互角の勝負はもはや不可能となりました。