栗饅頭矮星

宇宙に捨てられ増殖する栗饅頭はどういう星になるのか。ブラックホールか、中性子星か、超新星か、白色矮星か?これのつづき http://d.hatena.ne.jp/ita/20081223/p1

気体は圧縮するとその仕事が熱に変換されるが、固体の場合は反発する原子同士を無理やり押しつぶすのに使われる。なので温度は一定として無視。
栗饅頭の密度と圧力の関係は、常圧では水のデータに合わせ、もっと圧縮すると白色矮星のように電子の縮退圧が出てくるように適当に決める。こんな感じ

p=ACONST *(rho/RHO0-1) + FERMIC*pow(rho/RHO0-1.0, 1.66666)

それで各点で圧力勾配=密度*重力加速度となるような平衡状態を計算する。
また栗饅頭は食べると増殖しなくなるので、饅頭一個に1kgの重りを乗せるくらいの圧力(約4000 Pa)がかかると潰れて増殖を停止すると仮定する。また地中深くにいる饅頭は周りに空間がなくて増殖できないので、根拠はないけど地表から20cmまでの饅頭のみ5分に一度増殖すると仮定する。

これらの仮定の元に饅頭星の質量、半径、表面での重力が時間と共にどう変わるかを計算。図はすべて地球の値を1としてある。


途中から白色矮星の特徴である、質量が増えるほど半径が小さくなるという現象が見られる。これがもっと進むと超新星爆発を起こしたり、質量が太陽の1.4倍程度のチャンドラセカール限界と呼ばれるところを超えると縮退エネルギーが高くなりすぎて電子と陽子がひっついて中性子になったほうがマシ、という状態になり中性子星になったりする。しかしそこに達する前に地表での重力が強くなって表面の栗饅頭が全て潰れて星の進化が停止する。だいたい数万年の未来。

技術的詳細

周期ポテンシャル中のエネルギー固有状態はブロッホの定理からexp(ikx)*なにか、固有値は(なにか、の固有値)+k^2で波数の最大値はπ/周期。電子を下から詰めると合計で1/原子間隔^2 のオーダーでクーロンを上回る。密度で表すと密度の2/3乗。

平衡状態はまず中心の密度rhoを設定し、

r=0, m=0
while(1)
{
    r += dr
    m += 4*pi*r*r*dr*rho
    g = G*m/(r*r) // exact in 3D
    //dP/dx = dP/drho * drho/dx  and rho*g= -dP/dx
    // -> drho/dx = -rho*g / (dP/drho)
    rho -= g * rho / dPdrho(rho) * dr  

    if (P(rho)<0.0) break
}

のように外側に向かって解いていき圧力が0の外縁で終了。次にrhoの初期値を少し増やしてまた解き、全質量の前回との差分を質量増加速度で割って時間に加算することを繰り返す。