ありえないミス

物質の塑性変形を担うのは転位で、簡単にいえばXYモデルのvortex。結晶の並進対称性に関連したdefect。原子間隔だけ動けばもとにもどるのでS1と同型。立方格子ならXYZ方向独立なんで3つの相互作用するXYモデルでよい。しかしFCCだと最近接方向(110)が6方向あり、2つのvortexが合体して反応し別の種類のvortexになることが可能で、vortex line の3ツ又とかできる。しかも並進対称性と回転対称性は分離できなくて、vortex lineが整列して壁を作るとvortex周囲のねじれのエネルギーが消える。そして壁は回転対称性のdefectとなり、結晶方位がそこで不連続に変わる。
これに加えて転位は一般的に滑り面という方向にしか動かない。エネルギー的にはビオサバールの法則っぽい相互作用をする、電流の流れる線と思えばいい。力が1/r^2なんで計算大変。フル3Dの計算は、空間離散化したDiscrete Dislocation Dynamics という粗っぽい近似でまあなんとか出来るかなというくらい。
これを簡略化して転位三種類で二次元断面で計算していた。乱数でどれかの種類をランダムに置いていき壁が形成されるか見る。はじめ電顕写真そっくりなパターンができて喜んでたが、計算をリジュームするたびに乱数を同じ方法で初期化するというありえないミスをしていた。結局リジュームのたびにすでに置いた場所にまた置いてたのでパターンができやすかった。直したらパターンがでなくなった。がっくし。